2011年~商業地図が塗り替えられる劇的変化の年~

2011年~商業地図が塗り替えられる劇的変化の年~

九州新幹線開通とそれに伴う新博多駅ビル開業により、2011年は福岡に劇的な変化が起きる。九州全体で見ると、熊本、鹿児島が新幹線の直結により変化が起きることは間違いないが、北九州市をはじめ、影響を受ける沿線各駅周辺でも対策の動きが活発化する気配だ。今回コラムでは小売商業の変化を占ってみた。

熊本、北九州は減退か

都市型商業(小売、サービス業)では、九州ナンバーワン商都である福岡の売り場面積が膨れ上がることにより集客力が増大化し、北九州、熊本は苦戦を強いられよう。

北九州は深刻で、魅力に勝る福岡への流れは増える。熊本も都市型商業は厳しいが、観光レジャーと巧く連動させてアピールすれば、集客できる可能性はある。鹿児島も福岡へ向かう流れは増えるが、二年前からの「篤姫」効果が沈静化しつつあるところに新幹線ターミナル効果(終着駅という利点)がパワーアップの要因となるので、観光レジャーの誘因を強化すれば有利に働く。

企業によるビジネスの拠点整備も、交通の整備が進むことにより、ビジネスの集中度が高い福岡の一極集中を増長させるものと考えられる。

福岡商業への期待

福岡全体でみればポテンシャルの高まりによって集客力はアップし、総売上額も伸びるが、天神側では集客、売上の減少は免れないであろう。側面では新博多駅ビル開業は、商都福岡の中心核である天神地域にも対抗策を打つことを促し、リニューアル関連など一部に波及効果もある。

また、福岡の在住者にとっては、商業の充実は大きな期待も膨らむ。

弊社で、2010年10月に福岡県内在住者へのアンケート調査(回答者数440名)を行ったところ、新博多駅ビルに入居する博多阪急百貨店、東急ハンズの出店に関する認知度は約8割。行ってみたいとする人の割合もほぼ8割と、連日報道される新幹線開業、新駅ビル開業の情報が浸透してきており、期待感も上がっている様子がうかがえる。

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違う流れも起きる

一方で、九州新幹線沿線各地の生活者たちが新幹線を活用して中国地方や関西圏に動く流れも現れてくる。

小売商業・ショッピングに満たされる福岡の生活者たちにとって、他地域に買い物目的で動くことは少ないが、観光レジャーでは関西、中国地方などに向かう動きは新幹線開通後に伸びてきそうだ。

九州対西日本(関西圏)という構図もクローズアップされる可能性も生まれそうだ。また、中国、韓国、台湾やアジアの各国からの来訪も彼らの経済成長と共に増え、それを促しつつ商業・観光などに結びつける対応も必要となってくる。

また、同時に、貿易の伸びや対九州内投資の可能性も増長しそうで、波及効果をもたらすために官民でのアピールや受け入れ対応など、チャンスを活かせるような戦略的な整備も必要だろう。

「黒船」をチャンスに変える

成功する多くの経営者たちの考え方に、Change(変化)はChance(チャンス)だとするプラス思考の捉え方がある。変化を前向きに捉え、どのような対策を打つか、知恵と汗をしっかり使うことだ。

交通の変化は人、物、金、情報もパワーが集中する場所に集まるという流れは加速している側面もある。交通の変化による直接的影響ばかりを見るのでなく、インターネットの進展、少子高齢化、都市と地方の格差やグローバルな要因など、ビジネスを取り巻く周辺環境の変化も見据える複眼レンズで捉え、変化を読む分析頭と変化に対してチャレンジする行動力が必要だ。

まさに、新しい時代を生きるセンスが要求されることになり、その起爆剤たる「黒船」の一つとして九州新幹線があるのかもしれない。

(2010年12月28日著)
※文中の詳細データは弊社HPで閲覧できます。

株式会社ジーコム
代表取締役 村上隆英

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村上 隆英(むらかみ たかひで)

株式会社ジーコム 代表取締役

1955年大野城市生れ。福岡県立筑紫丘高校卒業、明治学院大学経済学部商学科卒業。 福岡市内ショッピングセンター事務局でSC運営に従事。その後、人材情報会社に転職。新規事業部門(テレマーケティング事業、セールスプロモーション・スタッフ派遣事業)開発を担当。のち、求人情報誌編集長を歴任。1986年 マーケティング・コンサルタント会社ジーコム設立。福岡を本拠地として九州の民間企業・地域が抱えるマーケティング課題への取り組みや、アジアと結ぶビジネス交流サポート、コンサルティングを手掛けている。

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