吉原さんは、以前から持ち続けていた環境ビジネスをしたいという思いと、広告代理店時代に大量にやりとりしていた封筒がゴミになっていてもったいないなと思ったことが結び付き、何度もリユース可能なエコ封筒『バトンメール』を独自に開発して、2010年4月に創業されました。
福岡の小さな会社がエコロジーで世界の裏側にバタフライ・エフェクトを起こすべく、エコ封筒の企画・販売に日々奮闘されています。

-創業するまでの経歴を教えてください。
学校卒業後、アルバイトでお金を貯めて、オーストラリアに行ったんです。
もともと海外にはすごい興味があって、とにかく行きたくてしょうがなかったんです。姉とか兄はアメリカに留学した経験があったんですけど、僕の時にはもう親を頼るわけにはいかなかったので、自分でお金を貯めて行こうと思いました。
それで東京に行ってアルバイトを始めたんですけど、箱根の山にホテルがオープンするということで箱根に行って、4人部屋のむさ苦しいところに住み込みをしながら、1日だいたい14~15時間とか、長い時は1日18時間くらい働いていました。1年で海外に行こうと思っていましたので、1年で150万円くらい貯めればいいかなと思っていたんです。
そしてオーストラリアではペンキ塗り、ベビーシッター、ツアーガイド、ホテルマンなどをしていました。
日本に戻ってきてからは多少英語ができるようになったので、英語が使えればなというのもあって輸入販売の会社に入って、営業を約3年やりました。
最初は国内営業だけだったんですけど、輸入の書類とか英語が出来る人があまりいなかったので、僕の方に回ってきたんです。僕も勉強しながらやっているうちに、海外の仕入れとかにも行かせていただけるようになって、海外からの仕入れと国内販売と両方経験させていただきました。
その後は、1991年くらいに兄が東京で起業したんですね。起業してしばらくは良かったみたいなんですけど、従業員が退職したりとか、売上も良かったころよりは落ち込んだりというのがあって、一緒にやらないかと誘われたんです。
それで、助けられるんじゃないかなというのもあったので、1993年に東京に行って、広告代理業の営業から始めました。
行ったらいきなり「これやって」とか「行って来い」って言われたんですけど専門用語もわからなくて、「写植って何?」みたいなところから始めたんですよ。
2人しかいないので、聞く人もいないし、自分で覚えるしかないというのもあって、がむしゃらにやっていました。とにかく2人で食わないといけなかったので雑誌、新聞の広告に関することでしたら何でもですし、営業から経理からまで何でもやっていました。
それで、その会社が順調に伸びて、エステサロンとか、通販の仕事もやるようになったので、別の会社を兄が作って、1996年に僕がその会社の代表になったんです。
その頃は雑誌広告が売れなくなってきている時代で、お客様から広告しても買ってくれなくなったとか、反響がないという反応が多くなってきた時代だったんですね。
それでまずいなというのがあったのと、ネットに興味が湧いてきたというもあったので、新規事業をということで、1998年くらいからインターネット事業をスタートさせたんです。
最初は出版社さんのホームページ製作の仕事をいただいたりとかでした。雑誌をドーンと2冊渡されて、「これのホームページを作ってくれ」とかそういう感じでしたよ。
紙のデザイナーは社内にいたので、紙のデザイナーに「Webのデザインとかも覚えた方がいいんじゃないの?」ということでだんだんそっちに持っていたんですね。
それでインターネットの事業のほうが多くなってきて、今ではすっかりネット系の会社になっています。携帯のコンテンツとかソリューションとかが中心ですね。
-創業しようと思われたきっかけはどういうところですか?
そもそも東京に行ったのが、兄と一緒にやって助けようという思いもあったんですけど、「俺は10年で九州に帰るよ」という話もしていたんですね。結局17年くらい東京にいたんですけど。
そういうのもあって、兄と株主の3人で「将来何をやる?」「どういう事業をやる?」となった時に、僕は当時から「環境ビジネスをやりたい」と言ってたんです。でも何をやりたいというのはまだ具体的にはなかったんですね。
その思いは普通に事業をやっているうちに忘れていたんですけど、師匠というかお世話になった方の死であったりとか、親の病気とかをきっかけに人生は1回しかないし、儚いなというのを思ったんですね。
そこで自分の人生を本当にもう1回というか、勝負してみたいという思いが湧いてきたんです。いなかで育って、山とか川で遊んでいたのがきっかけで環境とかに興味を持ったと思うんですけど、なんか環境で貢献したいというのが消えなかったので、これをやらずには死ねないなと思ってですね。やってみようと、今だったらまだやれると思ったんですね。
それで兄には「2年くらいかけて九州に帰るから」という話をして納得してくれたので、2年かけて社内の体制とかも整えながら、兄にもまた代表に戻ってもらって2010年に卒業させてもらったということです。
-eco-beという社名の由来を教えてください。
エコロージー(ECOlogy)でバタフライ・エフェクト(Butterfly Effect)を起こそうというところからです。
バタフライ・エフェクトというのは諸説あるんですけど、簡単に言うと小さな蝶の羽ばたきがやがて地球の裏側で台風を起こすとか、旋風を起こすというのがありまして、北京で蝶が羽ばたくとニューヨークで嵐が起こるとか、ブラジルで蝶が羽ばたくとテキサスでトルネードが起こるというものです。
そのバタフライ・エフェクトを福岡からエコで起こそうと、福岡の小さな会社のエコ封筒という羽ばたきがやがて世界の裏側にも使ってもらえるようにというか、封筒って世界的に広げられるじゃないですか?それでゴミが減らせたらいいなと思ったところからです。
もちろん封筒だけではないんですけど、エコロジーで福岡の小さな企業の羽ばたきが世界的な広がりをみせるような会社にしたいなと思って、そういう思いでつけました。
ですからeco-beのbeはバタフライ・エフェクトのbeで、もう1つの意味がbe動詞のbe、つまりエコの状態を続けましょう、継続しましょうという意味の2つの意味があります。
-エコ封筒をしようと思われたのはどのようなところからですか。
広告代理業をやっていたというのもあるんですけど、封筒を使用する量がめちゃくちゃ多かったんです。送る量も来る量も多かったのでゴミが毎日出て、そういうのがもったいないなーと思ったのがきっかけで、「なんか上手く使えばいいのになー」と思ってたんです。
ふとした時にクリアファイルを見ていて、あとペラペラの透明な封筒とかが届くようになってきていたので、そういうのを見ていて、封筒のリユースというのを思いついたんですね。
それで、クリアファイルを大量に購入して、「リユースするにはどうすればいいんだろう?」というところから入って、自分で作ってみて、「ああ、こうやればリユースできるんじゃない」と、「宛名とか、切手や消印とかも中でいいじゃん?」と思ったんです。
-創業の準備はどのようにされましたか?
その時は東京に住んでいたので、福岡で事務所を探そうと思ってWebで「創業支援」というキーワードで探したら、福岡市のインキュベート施設があるというのがわかったんですね。
敷金とか保証金とかがいらないうえに、いろんな支援が受けられるというのを知って、そこから問い合わせをして、応募用の書類を作ってお送りしたらプレゼンがあるというのを聞いて、プレゼンしたらなんとかパスしたという感じです。
応募用の事業計画書は正直言うと、その時には封筒を作るのに原価がいくらかかるかというのがわからなかったんです。というのも、自分の手作りの試作品はできていたんですけど、実際に作るとなるといくらかかるかわからないというのがあったんです。
それで、プレゼンで「今の計画は見積もりもないので根拠もありません。あるのは思いだけです。
九州に戻ってきて、エコロジーで貢献したいんです。福岡に来てから業者を探しますから」と正直にお話したんです。多分東京での経営経験というのを前提としてみてくださったのではないかと思います。
エコ封筒の試作品も20回くらいは作りました。ホームセンターに行って、素材を何にしよう?から始まって、裏側もどうやったら使いやすいんだろう?というので、ひっかかるようになって、テープもいらないのを作ろうと思っていろんなタイプを作りました。

これだったらいけるかなというのがちょうど出来て、インキュベートのプレゼンの審査員の方が10人ということでしたので、手作りの試作品を10枚作ってお見せしました。

インキュベートプラザ博多には2010年の3月末に入居しました。
その後、作ってくれる工場を色々回るんですけど、断られまくってですね。最初は福岡で、その後、佐賀や熊本にも行きました。
まず出来る、出来ないというところから入るんですけど、出来るというところにたどり着くまでに結構時間がかかりました。ホームページとかを見て、ここなら出来そうかなということで、電話して、車で行って、お見せしながらお話するんですけど、出来ないというのが多かったですね。得意分野じゃないからうちではできないというのが理由なんですけど。
工場も原反と言って、厚さによって得意分野が変わるみたいなんですよ。福岡にはゴミ袋くらい薄いフィルムという種類が得意な業者は多いんですけど、これが厚くなるとフィルムからシートという名前に変わるんです。そのシートのところが少なかったんです。
やろうと思っても設備がダメで、「設備費用を出してくれるんだったらやってもいい」というところはあったんですけど、そんな資金もないですしね。
それで、最初は紹介とかもいただきながら自力でいろいろ工場を回っていたんですけど、6月くらいに商工会議所のビジネスモールに出したんです。
そうしたら福岡以外にも東京、神奈川、千葉、大阪とか10社くらいから問い合わせがあって、そのうちの福岡の1社にお願いすることになったんです。
思わぬところからでしたね。その企業の担当者がたまたまビジネスモールの情報を見て、反応していただいたんですけど、作るノウハウとかプラスチックの素材とかシートの調達先とかもご存知で、とにかく詳しかったんです。
お願いした福岡の企業よりも安く見積もりをしてくれているところもあったんですけど、倉庫のほうとかも融通利かせていただいたり、支払いの面とかでも協力していただけると約束してくださったので、結局その福岡の企業を選ばせていただいたということです。
6月にビジネスモールに出して、1、2週間の間に問い合わせが来て、具体的な話を進めていって、結局発注できたのが8月でした。
他の準備としては、Webですね。Webは自分で作るとなったらダメダメなんですけど、雛形を買ってきて、それで出来る範囲で今やっているだけです。Webから注文も受けられるようにしたいので、余裕が出てきたら他に頼んでやろうかなと思っています。

-創業資金はどのように調達されましたか?
自己資金だけです。資本金200万円にして、当初の運転資金にはなるかなと思っていました。
-事業内容を詳しく教えてください。
エコプロダクトの販売です。
最初の商品がエコ封筒『バトンメール』というものです。
ひと言で言ったら、何回もリユースできる封筒です。
特徴としては、素材がクリアファイルと同じ透明のプラスチックで、表が透明になっていて、切手、消印用の穴がついているんです。この特徴によって、宛名と差出人の名前とか、切手と切手消印が封筒の中にされるので、何回も繰り返し利用できるというものです。


逆に言うと、今まで宛名や切手が封筒自体にされていたので、リユースしづらかったんですね。それで中身を入れ替えるだけで使えるような形状にしたということです。
特許と意匠、商標も出願しています。
それに素材として単一のポリプロピレンで作っているので、古くなった『バトンメール』は回収してリサイクルできるんです。ですから使用済みの『バトンメール』100枚と新品5枚を交換するというのを謳っていて、3R(リデュース、リユース、リサイクル)循環型の事業です。

なんでリサイクルをやろうと思ったかというと、作ってくれる工場がないという時に、プラスチック加工業者の社長から「北九州のエコタウンに1回行ってみたら」と紹介していただいて見学に行ったんですね。
そうしたら九州工業大学エコタウン実証研究施設でゴミからプラスチックを作ってあったんです。それで、そこの教授を会わせてくださいという話をして、メールとか電話とか、僕の手作りのエコ封筒で手紙を送ったら会ってくださることになりました。
残念ながらゴミから作ったプラスチックのものにはできなかったんですけど、その現場に行ったときに、ゼロエミッションへの取り組みとか、極力ゴミを出さないモノを作りとか、かつバイオマスプラスチック、生分解性プラスチックというのは回収してもまた同じものとして再生できるんだというのを教えていただいたので、それを目指そうと思ったんです。そこの教授との出会いがきっかけでしたね。
もう1つ感動したのが、そこのプラントではゴミを選別しないといけないんですけど、チャレンジド(障がい者)の方を雇用されていて、一緒に2名くらいの方が仕事をされている姿を見て、すごいなと思ったんですね。
ゴミからプラスチックを作って、さらにチャレンジドの方を雇用する機会も作って、なんてすばらしいモデルなんだろうと、本当に涙が出そうになるくらい感動したんです。
他にも売上の一部をNPO法人BOS日本に寄付して、インドネシアの森林保護に役立てて頂くようにしています。保護される森林の面積は『バトンメール』5枚あたり1坪です。
これは、東京にいたときの知り合いの会社に『リ:メール便』というサービスがあって、その会社のDMの配送サービスを使うと植樹に役立つみたいなことをやっていたんです。
その社長に「いつの間にこんなこと始めたの?俺も寄付とかやりたい」って言ったら、植林活動をしているNPOの方を紹介していただいたんですね。そのNPO以外のところも僕なりに探したんですけど、結局、知り合いに紹介していただいたNPOの方は本当に森林保護に関してこだわりを持った人だったんです。それでそのNPOに決めました。
これでエコ封筒のビジネスモデルが決まりました。

『バトンメール』の価格は1,000枚だと、税別で24,000円、税込みで25,200円ですので、1枚当たり24円(税抜)になります。
初回は100枚というのもお試しもありまして、送料無料で1枚あたり×30円(税別)です。価格は注文単位が増えると1枚当たりの価格は安くなります。
販路については今は直販だけで、電話かメールです。今後はネットや全国に販売店制度など広げていきたいと思っています。
プロモーションについては、『バトンメール』は2010年10月12日が発売日だったので、10月12日か13日に商工会議所ビルのプレスルームでプレスリリースを出しました。
最初に載せていただいたのが毎日新聞で11月3日ですね。そうしたら今は連鎖的に次から次に、マスコミの方から来ていただいている感じです。コンスタントに追いかけてくれるようになったのは11月になってからですね。
ですから、プレスリリースの効果は結構ありました。あとはホームページがあるだけです。
封筒というのはいろんな会社さんが使っているので、そこで道を開いたら封筒以外のエコないい商材は他社の商品であろうと販売したいと思っているんです。
それが完全に3Rじゃないと取り扱わないというわけではなくて、2Rでも何かエコに貢献できるような商品であれば販売するというのがeco-beとしての方針です。
でも、少なくともR1つは必要です。
-ビジネスのターゲットはどのようなところですか?
ひと言で言うと、往復で封筒を使う業務がある企業や団体です。具体的に言うと、今は通信教育業者さんとかを狙っているんですけど、実際にお客様になっていただいているのは人材派遣とか、不動産管理会社とか、NPOとか、IT系だとデータセンターとかです。
データセンターは一方通行みたいですけど、それでもやっぱりこういうことをやらないといけないということで、30歳代の経営者の方が買ってくれました。
あと面白い事例では、福岡の広告代理店さんに「1,000枚で24,000円です」と言ったら、「じゃあ25,000円で買うよ」って言われて、「わかりました」と、「僕は24,000円もらって、1,000円は森林保護団体に寄付しますよ」って約束して帰りましたけど、すごい嬉しかったです。
そういう買い方をしていただいたのは、その1社だけなんですけど。
-同じような封筒を販売している会社は他にもありますか?
ないんですよね。1往復用の封筒があるみたいなんですけど、宛名とか切手を全部中に入れるという発想とは根本的に違います。それにこちらは何回も使えるんです。
これは12往復(24回郵送)使った封筒です。まだまだ使えますので、どれくらい使えるか継続していきます。

-お客様はどのように増やしてこられましたか?
電話やメールでの営業と催事です。新聞などの記事を見て問い合わせていただいたたところは丁寧に拾っています。2010年11月には環境展にも出展しました。
そこでお客様の声を聞きたかったというのと、もちろん顧客開拓というのと目的は2つあったんです。
皆さん「いい」と言ってくれるんですけど、実際に買ってくれるお客様は少なかったですね。「へぇー」とか、「あ~」とか、「なるほどね」って言う人はいっぱいいるんですけど、業務上一方通行が多いということでした。
一方通行の場合は、やっぱり1回の単価で比べてしまうとお客様にとってコスト高になってしまうんですよね。一方通行でも買ってもらえるようにするには、ターゲットを絞って、工場に発注する数が増やせば原価が下がるので、単価が下がれば買ってもらえるんじゃないかなと思うんです。
『バトンメール』を使ってDMもいろんなところに送ってきたんです。
例えば、エコ塾とか、福岡県が主催している新生活産業くらぶFUKUOKAとかに行って名刺交換した方だとか、あとは大きい会社の社長に直で送ったりだとかです。
社長直でDMを送って返事が来たのは大手の宅配業者さんですね。
そちらは封筒をたくさん扱われているし、ビジネスメール便みたいなのを扱われているので、「エコの新しい取り組みを一緒にできないでしょうか?」と送ったんです。そうしたら社長から命を受けた担当者の方から電話があって、包装資材関係をやっている別会社にあるからということで、そこの研究員の主任の方から電話をいただいたんです。
「今すぐにはニーズというか、使い勝手がわからないから」というところで終わってしまいましたけど、「東京に来る時には来てください」と言われました。
その後、社長にも紹介していただいてありがとうございましたと手紙を出したんですけど、もちろんその会社のメール便のシールを貼って送りました。
-ビジネスの手応えはいかがですか?
厳しいなと思うこともありますし、なんか思わぬところから問い合わせがあって、こんなところにもニーズがあるんだなと思ったりして、違うサイズとか商品ラインを増やしていけば、いけるという手応えはあります。
あとは本当に他の封筒と違うのは、いろんなふうに何回も使ってバトンのように渡っていくというところなので、広告媒体としての価値も探ってみようと思っているんです。
そこはまだちょっと手応えという意味ではわからないんですけど、可能性としては広告スポンサーとかもチャレンジしようと思っています。
-苦労されたのはどのようなところですか?
やっぱり最初工場を探す時に苦労しました。ネットに載っているところだけだとすぐに終わってしまったんですけど、ホームページを持たれていない工場とかもありますので、それを探すツテがなくて、結局紹介、紹介になってしまいました。
最初3ヶ月くらい経っても目処が立たなかった時には、本当にどうなることかと思いました。いつまでたってもお金が出て行く一方で、売るものがないという状況でしたね。
-創業して良かったことはどういうところですか?
いろんな人から事業のこととかを褒めていただいて、紹介していただいたりというところです。福岡にそんなにツテはないんですけど、それでもお会いする方は結構「いいですね」とか、「これからは本当に重要だと思います」と言ってくださって、そこから紹介してくださる方もいて嬉しいですね。
-インキュベート施設に入居されていていかがですか?
最初誰も知らない1人だったので、「一緒にご飯食べに行こう」と言ったのがきっかけで、いろんなことを話せるようになって、普通に悩み事を言い合ったりしています。
地元の方が多いので、お店を紹介していただいたりとか、人を紹介していただいたりとか、励ましあったりとか、そういうのはインキュベートのいいところだと思います。
-現在の課題はどのようなことですか?
商品を広げていくに当たって、今キャッシュがないというところですね。
あとは商品を作るに当たっても、もうちょっとニーズをヒアリングしないといけないと思っています。
A4サイズの封筒とかは自分の手作りの試作品で協力いただけるところがあったので、3パターンくらい作ってモニターとして昨日渡してきたところです。東京とやりとりするということだったので、使ってみてどれがいいかご意見くださいということで1ヵ月後にまた行くんですよ。
-これからの展望を教えてください。
商品を広げていくというのと、広告媒体としての商品化ですね。あとは、販売の協力をいただけるようにまず販売代理店制度の仕組みを作っていきたいというところです。
ある事業者さんから、同業者の分もまとめて仕入れて販売したいというようなお話もあったんですけど、今準備しているのでもうちょっとお時間をくださいということでお話しています。
-目標を教えてください。
3年後にはとりあえず会社を黒字にして、エコ先進国にこのエコ封筒をもって行きたいということです。
具体的にはヨーロッパですと、ドイツとか、スウェーデンとかですね。あとはアメリカとかもです。アメリカもリユーザブル封筒というキーワードでYahoo! Americaを検索すると1往復の封筒とかが結構出てくるんですよね。
ですから、まずエコ先進国であること、もしくは市場があることの2つの切り口で国を選んで提供していきたいなと、そして、できるだけ現地で作っていただいて、現地で消費していただければなと思っています。
出来ればリサイクルの仕組みまで海外でできれば、すごく嬉しいですね。
-夢はありますか?
いろんな国にエコ封筒の特性を利用した事業を移植していきたいと思っています。
そうすると日本にとってもいいことになるでしょうし、福岡にとってもいいことになるでしょうし、海外の国にとってもいいことになると思うんです。
国内は国内で、一旦買っていただいた事業者さんとパイプをもっと広げるために、自社開発にこだわらず他のエコ商品とかを販売パートナーさんと協力しながら、地元の企業には当社を通じてエコ商品を販売できるようにしていきたいと思っています。
例えば、今エコ封筒を買っていただいた事業者さんに、「他のこういう商品もあるんですよ」と、代理店さんだったら、「CO2クレジット付のコピー用紙とかもあるので、よかったらどうですか?値段も変わらないし、エコに貢献できるんですよ」というような商品とか、自社の商品にこだわらず、エコにはこだわって広げていきたいと思います。地元と世界の両方で貢献したいです。
認識しないといけないと思うのは、たった1枚の紙でも、たった1枚の封筒でも地球の資源なんだということです。誰が買ったとか、自分が買ったから使わなくても捨てていいとか、1回使ったら捨てていいとか、そういうのは古いと思うんですね。
だから、クリアファイルみたいに人からいただいたものもちゃんと再利用できるものは利用して、貴重な資源として大切に使うというようなことをもっともっと考え直さないといけないんじゃないかなと思うんです。
元々日本にはもったいない精神というのがあったじゃないですか?
アフリカのワンガリ・マータイさんという方が、もったいない運動みたいな精神論にすごい共感されて、「MOTTAINAI」が世界的に広がりを見せたということもありますしね。
元々資源のない国だったので、本当に江戸時代とかものすごいものを大事にされていたような話を聞いたので、時代は変わりましたけど、もう1回、そこに立ち戻って考え直す時が来ているんじゃないかなと思います。
【レポーターのコメント】
吉原さんは封筒を大量に使っていたからこその問題提起から始まり、何度も繰り返し使用できるエコ封筒を企画・開発されました。
従来の紙の封筒では、封筒自体に切手が貼られ、宛先や差出人も記載されます。
そこで、封筒に直接なされることが繰り返しの使用を阻んでいる原因だと考え、封筒は透明なプラスチック素材にすることで、中の紙に記載した宛先や差出人が透けて見えるようにし、切手の部分に穴を開けた形状にすることによって中の紙に貼った切手に押印できるようにされています。
まさに今までになかった新しい発想の封筒であり、既存の封筒との差別化を図り、売上を伸ばしていくことによってエコも推進していけるというものです。
しかし、全く新しい商品であるため世の中に認知してもらうまでが大変です。また、購入する側も繰り返し使うことによってコスト削減ができるとわかっていても、封筒1枚の単価だけで比べると既存の紙の封筒よりも高いため、慎重になってしまいがちです。
そこで吉原さんは創業したばかりの企業ならではの資金不足の中で、うまく新聞やテレビなどマスメディアを活用し、コストをかけずにPRをされています。
吉原さんにはぜひ、エコ封筒をはじめとしたエコ商品で福岡からバタフライ・エフェクトを起こしていただけたらと思います。
レポーター:大串 明子(おおぐし あきこ)
中小企業診断士、1級販売士、経営学修士(MBA)
外資系コンピューターメーカーでコンサルティングやシステム構築に携わり、その後、投資会社で経営管理実務を経験。2008年に独立・開業し、経営コンサルタントとして活動している。九州大学ビジネススクールで、IT系ベンチャー企業における内部資源の活用にもとづく成長戦略について研究し、現在も福岡市のインキュベートアドバイザーなど創業支援を中心に、事業計画の策定や経営革新計画の策定など中小企業の支援を行なっている。- (株)eco‐be
福岡市博多区博多駅前2-9-28
福岡商工会議所ビル9FTEL:092-984-5015
業務内容:エコ商品の企画・製造・卸及び販売















