若さと知恵で携帯通販市場に参入!~大学発ベンチャーとしてリーディングカンパニーを目指します~ (株)ブラテック 岩崎正明さん
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日本経済はまだまだ景気の低迷から抜け出していません。このような厳しい時代に耐えて生き残った会社こそ、新しい時代の主役として成長していきます。過去の歴史をみても不況期に様々な革新的企業が生まれてきています。1873年の経済危機の時にGEが、1923年から始まる不況(そして1929年に世界恐慌)にディズニーが、そして1975年の不況にはマイクロソフトが誕生しています。
この厳しい時代にますます元気な会社が、今回ご紹介する株式会社ブラテックです。岩崎正明社長は2003年創業以来培ってきた技術やノウハウをベースに自社サービス「Braec(ブレイク)」を開発し、市場開拓にがんばっています。
今回は、創業の思いや苦労、今後の事業展開などについてお話を伺いたいと思います。
―会社の設立の経緯やきっかけをお教え下さい。
会社設立は、私が在籍した九州工業大学のベンチャーマインドを創出させる授業の数々、指導教官との出会い、同じ志を持った友人との出会い、色々な刺激が重なった結果でした。
具体的には、大学の恩師である山川教授が、研究室において博士課程後期の学生に身に付けてほしい能力として、①自分の研究、②後輩の指導、③先生の雑用、④ビジネス(自分の生活費稼ぎも含め)の4つを掲げられていたのですが、私が博士後期課程(マスターコースの後の3年間)に進学した際に、同級生が5人もいたこともあり、④のビジネスの実践の場として、時間が自由に使える大学生の間に大学発ベンチャーの立ち上げをぜひ!行いなさいと先生から強烈なプッシュを受けたのがきっかけでした。なんとなく面白そうだぞと思って、リスクよりも興味が先で会社を起こすために必要なことを必死に調べている自分がいました。
そこに最終的な決め手になったのは、ちょうど大学発ベンチャー1000社計画が提唱されて、最低資本金特例制度という会社を起こすための敷居がすごく下がって、“会社を起こせ、起こせ”の流れに乗ったことかなと思います。

―社長は大学時代にどのような研究をされていたのですか?
研究内容は「接近物体の危険度検出機能を有するビジョンシステム」というものです。人間は自分に接近してくる自転車があるとき、ぶつかるコースなら回避、ぶつからないなら何もしないという行動をとりますよね。それは人が接近物体(自転車)をみつけ,ぶつかるか、ぶつからないかの危険度を求め,回避行動を行うべき/行わないを瞬時に判断しているからできることなんですけど、そのメカニズムを真似て移動ロボットの視覚センサをつくるという研究を行っていました。マニアックですよね?大学で5年間研究した内容は全然今の仕事と結びついていないんですけど、研究を進めていく中ではんだごて握って回路作ったり、プログラミングしたりしたことで幅広い知識を身につけられたことは、確実に今の仕事の基盤になっていると思いますね。

―大学発ベンチャーとしてスタートされた後も様々なご苦労があったと思います。苦労話やそれをどのように乗り越えてこられたのかお話ください。
会社設立にあたって、過去2回の山川研究室での任意団体で活動した先輩の意見を参考にし、運営プランを固めました。ですが、会社化にあたり十分な準備が出来た訳じゃありませんでしたし、従業員が全員現役の学生でしたので、会社を回していくために必要なこと(営業、経理、財務)すべてに素人な集団でした。
特に社員全員が理系の技術者ということもあり、自分たちのサービスを北九州の地元企業に売り込んで、顧客を納得させる提案力、営業力についてはよくあの状態で活動してたよなぁと今では思っちゃいますね。実際、所詮大学生と思われてほとんど相手にされませんでした。そんな経験をしながらへこたれず自分たちに出来ることを少しずつサービス改善、事業化につなげていきました。具体的には、ホームページつくったり、会議運営のお手伝いをしたり、大学の先生の御用聞きから手の回らない部分のお手伝いをしていき、ノウハウとお金を貯めていきました。
―では今回開発された携帯ECサイト構築サービス「Braec(ブレイク)」を開発するきっかけはお聞かせください?
弊社はこれまで受託によるWebシステム開発を主力事業として行ってきました。しかし、たくさんの同業会社が存在する中で既存事業だけでは事業の競争優位性は低いと判断して、競争力を持つ自社サービスの開発をこの2年間の間進めてきました。それが携帯ECサイト構築サービス「Braec(ブレイク)」です。今回開発した新サービスは、携帯通販市場という非常に成長が見込めるマーケットで、BtoBサービスとしてご利用していただくものです。
―開発される際に、苦労されたのはどのような点ですか?
携帯サイトの問題点をたくさんの方からユーザーレビューを集め、携帯の小さな画面で見やすい、操作しやすい画面をつくるにはどうしたらいいかを徹底的に考えました。そこでFLASHという技術を使って作りこむことを進めていきましたが、日本の携帯はdocomoさん、auさん、softbankさんで仕様がばらばらな上に機種によって性能が全く違うので、古い携帯でもしっかり動作するようなサービスを作り上げるために実機でどう動くかの調査に時間をかけました。実機で動作確認するために、携帯ショップに通って携帯を触らせてくださいと頼みこんだり、結果を出されている携帯通販サイトTOP100のサイト分析を行い、いいとこどりをするような泥臭いこともやりました。
―携帯市場の事業背景や動向についてお教えください。
携帯の通販市場はこの不況下にもかかわらず年20%の成長を続けています。今年は1兆円に達することが予想されています。現在の携帯通販サイトの利用者は10代後半~20代前半の若年層がコアユーザーとなっていますが、徐々に幅広い顧客層を取り込み始めているので、不況でIT投資が冷え込んでいる中ですが、積極的な投資が期待できる今後も非常に成長性の見込める市場です。
―いま携帯サイトや携帯電話には何が求められているのでしょうか?
携帯ユーザーは携帯サイトの評価として操作性、視認性を重要視していますので、見やすい情報表示はおさえておかないといけないですね。携帯サイトはこれまで文字情報中心の紹介が主流でしたが、パケット定額が定着した今では、画像、動画などを駆使してより魅力的な表現が求められています。なので、FLASHを使った携帯サイトが今後どんどん増えていくと思います。また、タッチパネル携帯のような直感的な操作が売りの携帯やスマートフォンが増えてきていますので、タッチでの操作対応や携帯の画面に合わせた表示最適化などが必要になってきています。
―このサービスで利用者はどのようなメリットを得られるのでしょうか?
FLASHを使った携帯通販サイトは通販利用ユーザーに受けがいい調査結果があるのですが、通販利用ユーザーの印象に残る通販サイトの構築が可能です。また、画像中心の魅力的な商品紹介ができる携帯サイトは文字ベースの紹介が中心の現在の状況で競合企業のサイトと差別化が行えます。その結果、アクセス数増加、売り上げ拡大を達成していただく、結果を出すサービスと自負しております。
―Braec(ブレイク)のロゴマークはなかなかかわいいのですが、どのような意味があるのでしょうか?
ありがとうございます(笑)。ブレイクが携帯向けの通販サイトを構築できるサービスなので、ロゴは携帯がカートに入ってるという構成のありがちなものなんですが、僕のイメージから社員が作ってくれました。ブレイクというサービス名の由来は、ブラテックのECサイトサービスということで Bra と ECをくっつけた造語なんですけど、ブレイクと読ませることで、これまでになかったブレイクスルー的なサービスという意味とお客様のサイトをブレイクさせるサービスみたいな意味をかけています。

―では、今回開発されたBraec(ブレイク)について詳しくご紹介ください。
これまでのECサイト構築サービスでは、携帯サイトがPCサイトの付加的に自動構築されるものがほとんどで、ページのつくりが画一的なものが一般的でした。そのため、競合他社との差別化が難しく魅力的な携帯ECサイトを構築することが困難でした。また、携帯で商品の商品画像を見比べるには、多くのページの移動が必要で、比較検討をしながらの購入が難しいため顧客は現状の携帯ECサイトに不満を持っていました。本サービスはそれらの問題を解決する革命的なサービスですし、他社が簡単に真似をできない技術を使ってるオンリーワンなサービスです。

―御社の創業当時からのこだわりや企業理念等をお教えください。
設立でお世話になった先生が常々言われていた言葉から、企業理念は「“工夫と執念”で生み出したインターネットのシステムとサービスで社会に革新と感動を提供する」と定めています。その理念通りの“あんな面白いサービスをしている会社だよね”と社名を覚えていただけるような大学発ベンチャー企業になりたいと思っています。

―今後活用したいと考えられている施策や支援機関はどのようなものですか?
今回の事業で「経営革新」を取得させていただきましたが、その支援サービスの中で新規事業のために必要な人材獲得費用を補助していただける“中小企業基盤人材確保助成金”はぜひ活用させていただきたいと考えています。また、商工会議所さんの販路拡大、PR系のサービスも検討しています。
―今回このサービスの開発がうまくいった理由はなんだと思いますか?
人の力だと思います。弊社は慢性的な人材不足に悩まされているベンチャー企業には珍しい情熱、野望、フロンティア精神のあふれた人材がそろっています。ほんと人に恵まれていると思っています。
―逆に想定外であったことはありましたか?
昨年の5月にブレイクはサービスとしてリリースしました。その当時、社員全員が間違いなく革新的なサービスだと自信を持っていましたので、業界最大の展示会に意気揚々と出展しました。その結果、関心を持っていただける方の反応は思ったような良い反応も多く頂きましたが、それと同じくらい問題点になるような指摘もありました。それを聞き、これまで進めていた開発が“井の中の蛙”状態になってて、お客様視点の開発がおろそかになっていたことを気づかされました。そこから半年かけてサービスの全面的な改良を行いました。その研究開発のために社内のリソースをさきすぎて、会社を傾かせるような状況をつくってしまいました。
―活用された専門家のアドバイスやゼミナー等で良かったのはどのようことですか?
FVM(福岡ベンチャーマーケット)に登壇させていただいた後、一定期間アドバイザーがついていただけるのですが、その方との打合せやその方からの企業様のご紹介は結果を出させていただきましたね。
他には県主催の大学発ベンチャー・ビジネスプラン・ブラッシュアップセミナーは得るものが非常に多かったですね。こうみると、ほんと福岡はベンチャー支援プログラムが充実しているなぁと思っています。福岡で起業してよかったなぁと思っています。
―今後の事業展開において課題はなんでしょうか?
販路拡大と製品PRですね。
―それを克服するための取り組みをお教えください。
積極的に営業力をもったパートナー企業の開拓を進めています。自社で販売までを行わず、弊社は自社の強みであるシステム開発だけを担当し、販売は外部パートナー企業にまかせるような仕組みづくりを積極的に進めているところです。
―これから起業しようとしている若者や学生たちに、ひとことアドバイスをください。
大学生のうちに起業して、ビジネスにトライすることをはわるくないと思っています。もし駄目であれば、大学・大学院を卒業して、その後就職すれば、非常に経験の豊富な学生ということで、企業側からも歓迎されますし。起業がうまくいくのであれば、それをどんどんやっていけばいいだろうと思います。ただ、やると決めたら本気で取り組んでください。本気でやれば自分の考えていた器を超えて、自分の可能性がどんどん広がっていく感覚を体験できると思います。
―最後に、これからの事業の目標や夢をお教えください。
5年以内には、技術力でIT業界に旋風を巻き起こし、自社サービスでIT業界に革命を起こすような日本を代表する技術開発型ITベンチャーへ成長していきたいと考えています。その足掛かりとして、新事業の携帯通販サービスでシェア1位を目指しています。
レポーターのコメント
非常に楽しみな会社です。事務所に伺ったときも社員の皆さんが全員若く、生き生きと仕事されていて、元気な会社だなあという印象でした。ベンチャーらしく新しものへのチャレンジ精神にあふれている会社で、自社オリジナルサービスの開発を経てますます積極的に前進されています。みなさん自由に意見を交わしながら新しいアイデアを生み出しているところなど、まるで福岡のGoogleみたいです。
その中で岩崎社長は、スタッフのよさをうまくまとめながら、なおかつ会社としての方針をしっかりと貫いている芯の強さをお持ちです。話にもあった大学発ベンチャーブラッシュアップセミナーなどでも忙しい時間をやりくりしながら、毎回セミナーの課題をこなしながら参加されたと聞いています。岩崎社長自身博士でありながらも、今は立派な経営者、そしてビジネスマンとして展示会や大手企業へのプレゼンテーションと東奔西走の毎日を送られています。
岩崎社長も言われているように販路拡大はもちろん重要な課題です。しかし社長にはその一歩先を見据えて取り組んでほしいと考えています。インターネットの世界は、一度動き始めるとすごい勢いで回りはじめます。そのスピードについていけるかどうか、そこに企業の真価が問われます。どんなに素晴らしいサービスであっても、お客様のニーズについていけなければ、あっという間に置いていかれます。この足元と一歩先のバランス感覚がまさしく経営者に求められる資質ではないかと思います。これからも応援していきたいと思います。
頑張ってください。
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レポーター:富永 一也(とみなが かずなり)
ITコーディネータ、 中小企業診断士
通信関連会社でITビジネスに15年ほど従事したあと経営コンサルタントとして独立開業した。ITコーディネータとしてITに強い経営コンサルタントとして活動している。経営革新計画策定を支援した企業は、20社を越える。近年は事業継続計画(BCP)支援、経営戦略策定支援、特に財務分析を踏まえた再生支援に力を入れている。- 株式会社ブラテック
北九州市若松区ひびきの1-8
事業化支援センター309号TEL: 093-695-3477
FAX: 093-981-3325
Skype:bratech設立:平成15年8月1日
従業員:5名















